【ドイツ語】文学精読H.E.ノサックの短編小説
講座概要
講座コード | 252R044002 |
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開講期 | 秋学期 |
レベル | 上級 |
定員 | 20 |
曜日 | 水曜日 |
開講期間 | 2025/10/08(水)~2026/01/14(水) |
時間 | 19:30~21:00 |
受付期間 | 2025/08/06(水)~2025/09/08(月) |
受講料 | 30,000円 (塾生・教職員:25,000円) |
受講形式 | リアルタイム配信 |
キャンパス | オンライン講座 |
担当者 | 宮下 みなみ |
講座の内容
「ゼロ地点」に置かれた戦後西ドイツの文学においては、生きることがどんなに不自由であっても、精神はつねに自由であることを希求し続ける物語が紡がれてきました。本講座では、戦後西ドイツの作家ノサックの作品『海から来た青年』(1948)の精読をつうじ、人魚という神話的モチーフが、絶望と希望が表裏一体となった戦後西ドイツの社会状況を反映するなかで、新たな意味を取り込みながら編み直されてゆくプロセスを味わいます。
講座の進め方・到達目標
自然に言語を習得する年少者の場合とは異なり、大人が自発的な努力と論理的理解をつうじて効果的に外国語を習得してゆく際の技法を実践的に習得していただくことが、本講座の主たる目的となります。まずは毎週の予習として、講座スケジュールにしたがって、次の授業で扱う予定の箇所の和訳を考えていただき、授業内ではおよそ1~2文ごとに交代で音読・和訳の発表をおこなっていただきます。その際、語学学習がただの丸暗記に終わらないように、辞書の引き方、辞書の項目内の注目すべき箇所などについても指導させていただき、論理的に理解して覚えるという習慣を身につけていただきます。本講座では、このように個々の単語の意味や文法構造を丁寧に読み取ってゆき、さらには作品の内容的な解釈についても積極的に意見を交換させていただくことで、文学作品を味わう楽しみとともにドイツ語読解能力の向上を目指してまいります。また、外国語の深い理解のためには母国語についての反省も欠かせませんので、訳語ひとつひとつの日本語表現をなおざりにすることなく、言語全般についての感受性を高めていただくことにもなります。さらに、外国語の理解はその言語が使われている地域の文化を理解することと表裏一体であるという前提に立ち、作品の歴史的・文化的背景について、必要に応じてパワーポイント資料を用いた解説も実施してまいります。
対象レベル
詳細は「レベル目安」ページを参照ください。
重視している項目(☑印)
□会話 □作文 ☑読解 □聴解 ☑文法 □発音 □プレゼンテーション
授業言語
当該言語と日本語
講座スケジュール
回 | 実施日 | 内容 | 講師 |
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第1回 | 2025/10/08(水) | イントロダクション:作品・作者の紹介と、授業の進め方についての具体的な説明 | 宮下 みなみ |
第2回 | 2025/10/15(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(1) | 宮下 みなみ |
第3回 | 2025/10/22(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(2) | 宮下 みなみ |
第4回 | 2025/10/29(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(3) | 宮下 みなみ |
第5回 | 2025/11/05(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(4) | 宮下 みなみ |
第6回 | 2025/11/12(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(5) | 宮下 みなみ |
第7回 | 2025/11/26(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(6) | 宮下 みなみ |
第8回 | 2025/12/03(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(7) | 宮下 みなみ |
第9回 | 2025/12/10(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(8) | 宮下 みなみ |
第10回 | 2025/12/17(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(9) | 宮下 みなみ |
第11回 | 2026/01/07(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(10) | 宮下 みなみ |
第12回 | 2026/01/14(水) | 『海から来た青年(Der Jüngling aus dem Meer)』精読(11) | 宮下 みなみ |
使用テキスト(著者名/書名/出版社名)
プリントのみ配付
備考
教材は初回授業でコピーを配付いたします。初回授業では、作者・作品についての伝記的・歴史文化的背景の紹介や、授業の進め方についての具体的な説明をおこないます。
注意
やむをえない理由により、予告なしに担当講師が代講または変更となることがあります。
講座内容の進め方等については受講生のレベルや習熟度などに合わせ予告なく変更することがあります。
テキストは稀に変更になることもあるため、講座の開講確定後にご案内するテキスト販売一覧をご確認ください。
担当者紹介
- 宮下 みなみ
- ミヤシタ ミナミ
- 【講師からのコメント】
1901年生まれのノサック(1901-1977)は、44歳の時にハンブルクで敗戦を経験しています。廃墟と化した故郷で広まる精神的な空虚に対して、ノサックは文学をつうじて徹底的に抗い続けました。彼自身の経験を基盤とする、当時の西ドイツの社会状況のルポルタージュはもちろん、神話的なモチーフやSF的な視点など、多彩な文学手法を駆使した彼の作品は、現代でも色あせない価値を有しています。本講座で彼の作品をじっくり精読してゆくなかで、論理的透徹性と抒情性が結合したドイツ語の深みを感じると同時に、文学が社会のなかでいかなる役割を担っているのかについても、ぜひ一緒に考えてゆきましょう。