慶應外語

慶應義塾大学外国語教育研究センター公開講座

【ドイツ語】文学精読W.カミーナーのエッセイ

受付終了

講座概要

講座コード 241R044002
開講期 春学期
レベル 上級
定員 20
曜日 水曜日
開講期間 2024/04/17(水)2024/07/10(水)
時間 19:30~21:00
受付期間 2024/02/14(水)2024/03/18(月)
受講料 30,000円 (塾生・教職員:25,000円)
受講形式 リアルタイム配信
キャンパス オンライン講座
担当者 宮下 みなみ

講座の内容

モスクワ出身のウラジミール・カミーナー(1967-)は1990年にベルリンに移住し、ドイツ語で文学作品を書き始めました。クラブやカフェ、ラジオでの自作の朗読会は話題となり、初の小説Russendisko(2000)はドイツ文学界に旋風を巻き起こしました。本講座では、彼のエッセイ集 Ich mache mir Sorgen, Mama(2004)からいくつかの作品を読み、独特のユーモア感覚を楽しみながら、現代ドイツ社会の在り方について再考してゆきます。


講座の進め方・到達目標

自然に言語を習得する年少者の場合とは異なり、大人が自発的な努力と論理的理解を通じて効果的に外国語を習得してゆく際の技法を実践的に習得していただくことが、本講座の主たる目的となります。まずは毎週の予習として、授業計画にしたがって次の授業で扱う予定の作品の和訳を考えていただき、授業内ではおよそ1~2文ごとに交代で音読・和訳の発表をおこなっていただきます。
その際、語学学習がただの丸暗記に終わらないように、辞書の引き方、辞書の項目内の注目すべき箇所などについても指導させていただき、論理的に理解して覚えるという習慣を身につけていただきます。本講座では、このように個々の単語の意味や文法構造を丁寧に読み取ってゆき、さらには作品の内容的な解釈についても積極的に意見を交換させていただくことで、文学作品を味わう楽しみとともにドイツ語読解能力の向上を目指してまいります。
また、外国語の深い理解のためには母国語についての省察も欠かせませんので、訳語ひとつひとつの日本語表現をなおざりにすることなく、言語全般についての感受性を高めていただくことにもなります。さらに、外国語の理解はその言語が使われている地域の文化を理解することと表裏一体であるという前提に立ち、作品の歴史的・文化的背景について、必要に応じてパワーポイント資料を用いた解説も実施してまいります。

対象レベル

詳細は「レベル目安」ページを参照ください。

重視している項目(☑印)

□会話 □作文 ☑読解 □聴解 ☑文法 □発音 □プレゼンテーション 

授業言語

当該言語と日本語

講座スケジュール

実施日 内容 講師
第1回 2024/04/17(水) イントロダクション:作品・作者の紹介と、授業の進め方についての具体的な説明 宮下 みなみ
第2回 2024/04/24(水) Deutsch für Anfänger 精読(1) 宮下 みなみ
第3回 2024/05/08(水) Deutsch für Anfänger 精読(2) 宮下 みなみ
第4回 2024/05/15(水) Mein Vater und der Krebs 精読(1) 宮下 みなみ
第5回 2024/05/22(水) Mein Vater und der Krebs 精読(2) 宮下 みなみ
第6回 2024/05/29(水) Mein Vater und der Krebs 精読(3) 宮下 みなみ
第7回 2024/06/05(水) Mein Vater und der Krebs 精読(4) 宮下 みなみ
第8回 2024/06/12(水) Das Leben ist ein dunkler Park 精読(1) 宮下 みなみ
第9回 2024/06/19(水) Das Leben ist ein dunkler Park 精読(2) 宮下 みなみ
第10回 2024/06/26(水) Unsere Dialekte 精読(1) 宮下 みなみ
第11回 2024/07/03(水) Unsere Dialekte 精読(2) 宮下 みなみ
第12回 2024/07/10(水) Irgendwas 精読 宮下 みなみ

使用テキスト(著者名/書名/出版社名)

プリントのみ配付

備考

教材は初回授業でコピーを配付いたします。初回授業では、作者・作品についての伝記的・歴史文化的背景の紹介や、授業の進め方についての具体的な説明をおこないます。

注意
やむをえない理由により、予告なしに担当講師が代講または変更となることがあります。
講座内容の進め方等については受講生のレベルや習熟度などに合わせ予告なく変更することがあります。
テキストは稀に変更になることもあるため、講座の開講確定後にご案内するテキスト販売一覧をご確認ください。

担当者紹介

宮下 みなみ
ミヤシタ ミナミ
【講師からのコメント】
妻オルガや2人の子どもたちとともに体験する、新たな試練や発見に満ちた日常や、憂愁に染められた過去の記憶について描写してゆく作家カミーナーの筆には、抒情的な文学的資質だけではなく、社会批判的なジャーナリズムとしての資質も備わっています。「カミーナーのことを愛さずにいることは難しい」(『Welt紙日曜版』)と批評家に言わしめるほど、ユーモアと不思議な哀しさに満ちた彼の独特のドイツ語文体を楽しみつつ、現代ドイツ社会にまつわるさまざまな問題についても、多くの新たな視座を得ていただければ幸いです。

宮下 みなみ